シャトー・メルシャンの“摘房”ぶどうを活用したビールが新発売!

山梨県小菅村のブルワリー、Far Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)は2025年10月14日(火)、日本のワインブランド「シャトー・メルシャン」のぶどうを栽培するメルシャンヴィティコール勝沼との協業で、摘房(てきぼう)されたワイン用ぶどうを活用したというビール「Far Yeast Grapevine 2025(ファーイースト グレープバイン2025)」を限定発売しました。
本記事では、Far Yeast Brewingが運営する都内品川区西五反田のビアバー「Far Yeast Tokyo」で10月9日(木)に開催された「Far Yeast Grapevine 2025 商品体験会」の様子も合わせてレポートします。
“Brewed with YAMANASHI”とは?
「Far Yeast Grapevine(以下、Grapevine)」は、地元山梨の⽣産物を使ったビールづくりを通して地域産業の活性化を目指すというFar Yeast Brewingの取り組み「Brewed with YAMANASHI」から誕生した商品シリーズ。これまでも、山梨のブドウを使った限定商品として2021年のフルーツセゾンや2023年のジューシーIPA等、さまざまなビアスタイルで発売され、話題を呼んでいました。
2020年のコロナ禍をきっかけに、“はねだし品”の県産桃を使ったビールをつくりはじめて以来、地域に根ざし、生産者や地域の方とともにビールを通じて山梨を盛りあげるという「山梨応援プロジェクト」に注力してきたFar Yeast Brewing。以来、県産の桃、ぶどう、すもも、ホップ、梅などを使ったビールをつくり、2024年には「“応援”というと少し第三者的ニュアンスもあるので、地元山梨の人々とともに製品をつくって盛りあげるという意味を込めて」(同社事業本部マネージャーの富田晃史[とみた・あきふみ]氏)、プロジェクト名を「Brewed with YAMANASHI」に変更。2025年は大麦とホップをすべて山梨産にしたオール山梨のビールもつくりはじめているとのことです。
「シラー」&「マスカット・ベーリーA」を使用
これまで他に使い道のなかった摘房ぶどうの活用で社会課題解決にもなるご提案をいただき、今年も摘房の時期はご一緒に作業していただいた。すごく共感できるプロジェクトで、毎年できるといいなと思う」と語るメルシャン シャトー・メルシャン ゼネラルマネージャーの小林弘憲[こばやし・ひろのり]氏
そんな「Brewed with YAMANASHI」の最新作となる「Far Yeast Grapevine 2025」は、シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーのブドウを活用したビール(※)となりました。
ワイン醸造用のブドウ栽培では、果実ひとつひとつに栄養が行き渡り凝縮感のあるおいしいブドウが育つよう、栽培の過程で房を間引く「摘房」と呼ばれる作業が行われます。そうした摘房ぶどうは糖度が低くワイン醸造には適さないため、通常であれば畑に戻して堆肥化するそうですが、ビールや発泡酒の製造には十分な糖度があるとのこと。本商品では、シャトー・メルシャンの鴨居寺ヴィンヤードで栽培された赤ワイン品種「シラー」と「マスカット・ベーリーA」の摘房ぶどうを計500㎏使用し、1,700Lの製品を醸造したとしています。
※ 酒税法上の品目は発泡酒
ホップとぶどうの香りが調和したハイブリッドビール
「主に輸入品の原材料を使っているブルワリーからすると、原材料を自らつくるワイナリーの皆さまが羨ましい面もある。今回は原材料から製品づくりに関わることができ、とてもありがたく摘房作業に参加させていただいた」と語るFar Yeast Brewing富田氏
そうして完成した「Far Yeast Grapevine 2025」のビアスタイル(ビールの種類)は、クラフトビールの王道的な“アメリカンペールエール”となりました。製造工程では、赤ワインの製造工程で発酵中にぶどうの果皮を漬け込む手法「マセレーション」を参考に、ビール発酵の初期段階から摘房ぶどうの果汁と果皮を加えたとのこと。これにより、ロゼのようなピングがかったオレンジのアピアランスのなか、ペールエールらしいホップの柑橘香に、シラーやマスカット・ベーリーAの華やかな香りや、少しスパイシーな香りがうまく調和したハイブリッドなビールになったとしています。
「マスカット・ベーリーAに由来するキャンディのような甘くフラワリーな香りと、シラーの特徴であるスパイシーなアロマがきれいに抽出された、本当においしいビールだと思う。想像を超えるぐらいおいしくしていただいて感謝しています」(メルシャン小林氏)
ホップは柑橘およびトロピカルな香りが特徴のアメリカ原産品種に加えて、ぶどうを使ったハイブリッドな味わいをブーストさせるべく、白ブドウを思わせる香りが特徴のニュージーランド産ホップ「ネルソンソーヴィン」も使用。その味わいは、「ぶどう由来の酸味に加えて、後味にタンニンのような渋みも少し感じられる、ワインとビールのハイブリッドな味わいに仕上がった」(富田氏)としています。
WIN-WINの関係から社会課題の解決も
「今回のような取り組みは社会課題の解決につながるし、両社でウィンウィンになるので持続的に取り組んでいきたい」と話す富田氏。「Grapevineは毎年試行錯誤しながら製造していて、“これが答え”というのは見つかっていない。その年によって使用するぶどうも品種が異なったりするので、それに合わせてスタイルやレシピも変えており、“今年はどんな味わいになるかな”と、つくり手としても毎年楽しみながらやっている」と語ってくれました。小林氏も、「シャトー・メルシャンではいろいろとイベントをやっているので、今後もぜひご一緒に。私たちのほうからもFar Yeast Brewingさんのイベントにお伺いしつつ、ビールとワインでさまざまなコラボをしながら、今後はこうした取り組みやプロダクトでお客様とも対話していきたい」とコメントしてくれました。
本商品は、Far Yeast Brewingの公式オンラインショップをはじめ、全国のビアバー、飲食店、酒販店で販売されるほか、すでに「Far Yeast Tokyo」では10月9日(木)から提供がスタート。同店舗では10月31日(金)まで、「Far Yeast Grapevine 2025」とともに、商品の原材料にも使われたシラーを使ったワイン「シャトー・メルシャン 鴨居寺シラー 2022」も提供しているほか、マセラシオンの渋みやフルーティなぶどうの香りと好相性な、セージテイストのスパイスを加えたサーモンのマリネや、「鴨居寺シラー」をぜいたくに使用したソースで楽しむ鶏のテリーヌなど、限定ペアリングフードも提供中としています。
商品概要
Far Yeast Brewing「Far Yeast Grapevine 2025」
- 商品名
- Far Yeast Grapevine 2025
- 販売開始日
- 2025年10月14日(火)
- 販売場所
- Far Yeast Brewing公式オンラインショップ、Far Yeast Tokyo、全国のビアバー、飲食店、酒販店
- 希望小売価格
- オープン価格
- 原材料
- ブドウ(山梨県甲州市産)、麦芽(外国製造)、糖類、ホップ
- アルコール度
- 6.0%
- スタイル
- American Pale Ale with Wine Grapes
- 品目
- 発泡酒(麦芽使用率:25%以上50%未満)
- 醸造所
- Far Yeast Brewing源流醸造所(山梨県小菅村)
- 仕様
- 350ml缶 / 15L樽
- Webサイト
- Far Yeast Brewing公式オンラインショップ
メルシャン「シャトー・メルシャン 鴨居寺シラー 2022」
- 商品名
- シャトー・メルシャン 鴨居寺シラー 2022
- 産地
- 山梨県鴨居寺地区
- 品種
- シラー100%
- 栽培方法
- 垣根式栽培
- 育成情報
- オーク樽にて約19ヶ月間育成
- 味わい
- フルボディ
- テイスティングノート
- 色調は濃いめの紫。プルーンなどの黒い果実の香り、特徴香であるコショウの香りがほどよく、樽由来のコーヒー、ナッツのニュアンスとのバランスもよい。口中は樽の力強さとあたたかな果実感が
全体に広がり、後半ではコショウのニュアンスが余韻として続く(2024年6月) - 受賞歴
- 日本ワインコンクール2025 欧州系品種・赤部門 金賞
- Webサイト
- シャトー・メルシャン 公式サイト
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