ホップとボタニカルで複層的香り!福徳長酒類の新ジャンル焼酎「ここよい」とは

福徳長酒類「ここよい」「ここよいハイボール」

乙類焼酎や清酒の製造・販売を行う福徳長酒類(千葉県松戸市)は、ホップとボタニカルによる複層的な香りが特長という新しいタイプの焼酎製品「ここよい」を2025年9月16日(火)に全国で、同製品を炭酸で割ったRTD缶製品「ここよいハイボール」を10月8日(水)に沖縄県を除く全国のセブン-イレブン酒類取扱店舗(※1)で発売しました。

※1 店舗により一部取り扱いがない場合があります。

本記事では、都内目黒区のダイニングバー「Lanterne 池尻大橋」で10月10日(金)に開催された、「ここよい」新商品発表会の様子も合わせてレポートします。

 


「じぶん時間」のスイッチになる香りとは?

福徳長酒類 営業部リーダー(商品開発・企画担当)山口裕司 氏

発表会では、「ここよい」開発プロジェクトでチームリーダーを務めた、同社営業部リーダー(商品開発・企画担当)の山口裕司氏から、開発の経緯や狙いについて説明が行われました。

2000年代前半の“焼酎ブーム”を経て現在は縮小の一途を辿っているという乙類焼酎市場では、今までの焼酎の枠組みに捉われない柔軟な発想が求められていると語る山口氏。そこで、かねてから主力焼酎ブランド『博多の華』の次の打ち手を模索していたという福徳長酒類は、ここ数年台頭している新たなカテゴリー“香り系焼酎”に着目のうえ、新製品には「香りの良さはもちろん、他社製品と同質化しない新しい価値軸が必要と考えた」(山口氏)としています。

お酒の価値を改めて考えると、お酒を飲むことによる心理的開放があり、「お酒は心の鎖をほどく鍵のような存在。お酒を飲む時間は心の自由を認識できる時間」と話す山口氏。また、昨今はひとりでいる時間を好む人々が増えているほか、ひとり飲みの割合も増加傾向(※2)にあり、「ひとり時間」=「じぶん時間」が肯定的に捉えられるようになってきたとのこと。そうしたことから、今回は「じぶん時間」のスイッチとなる香りを、焼酎で新たに生み出すことをゴールに開発を進め、その結果として誕生したのが「ここよい」としています。

※2 博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査(2023年)」:「皆といるより、ひとり時間を好む人の割合」は1993年の43.5%から2023年は56.3%に増加(+12.8pt)

 

ホップやスパイスで奥行きある香り

福徳長酒類「ここよい」

ネーミングは「個々の」「今宵」「良い」「ここちよい」「酔い」等の言葉から発想。「この香りで、自由がひらく」をメインコピーに、香りがスイッチとなり「じぶん時間がはじまる価値体験」を表現したとしています

香りの要素のみで構成される蒸留酒・焼酎の特性を生かしつつ、従来とは異なる、まったく新しい造りにチャレンジしたという「ここよい」。50種以上のボタニカルをテストしたという開発工程では、まずは「じぶん時間を満たす香り」というコンセプトに則って、「リフレシュしたい“じぶん時間”」をひとつのキーワードに設定。そして、「リフレッシュできるような香りとなると、炭酸割りに合う香り。炭酸割りに合う香りとなると、柑橘を思わせるフレッシュな飲みやすいフレーバー」(山口氏)という風に、コンセプトを具体的な原料選定にブレイクダウンしていったとしています。

そのうえで、フルーツ・スパイス・ハーブなど多岐にわたる素材を自由に使うクラフトビール、あるいはクラフトジンをヒントに、複層的で奥行きある香りを目指したという本商品は、福岡県産の二条大麦をベースに、複数のボタニカルを組み合わせた製品となりました。ビールで使われる「カスケード」「ソラチエース」のアロマホップ2種を使用したほか、爽快な香りを付与すべく一部福岡県産のレモンバームと2種のスパイスを加えたうえで、ビールに使われるエール酵母で醸し、「じぶん時間」に最適な、爽快で奥行きあるリフレッシングな酒質を実現。また、同社が今回「アロマレイヤー製法」と名付けた複数のボタニカルを組み合わせる手法によって、アルコール度数が高い状態ではフルーティな香りが前面に出る一方、Alc.6%に割ったハイボール等では爽やかな柑橘香が支配的になるなどしており、アルコール分の違いによって香りの感じ方が変わる点も特徴の1つになったとしています。

 

クラファンは目標金額の800%超に

福徳長酒類「ここよい」「ここよいハイボール」

複数のボタニカルを立体的にイメージしたというパッケージデザイン。「“なんだろう”と、手にとってもらえるような視認性と記憶への残りやすさを意識した」(山口氏)としています

福徳長酒類は今回の「ここよい」発売前に、テストマーケティングとしてクラウドファンデイング(Makuake)を活用。同ファンディングでは2025年6月11日(水)から7月18日(金)と、比較的短めの期間ながら目標金額の828%によぶ160万円超の金額を達成したそう。Makuake社によると、購入金額・購入率・購入件数ともに、同価格帯または同価格帯・同ジャンルの平均を大きく上回っており、「本商品への期待度の高さが伺える結果になった」(山口氏)としています。

クラファンの結果を踏まえ正式な商品化が決定した新ジャンル焼酎「ここよい」は、まず9月16日(火)に瓶製品が発売されたのち、今回10月8日に、炭酸水で割って素材の香りを引き立たせたという「ここよいハイボール」が発売となりました。発売の手応えについて、同社営業部グループマネージャー(商品開発・企画担当)の宮﨑龍太郎氏は「クラフトビールにも同様のことが言えると思うが、味わい(に対する評価)は2極。好きな方にはとことん好きになっていただけるという意味で、むしろ手応えを感じている。缶製品についてもセブン-イレブン様に採用いただけたことで自信を深めることができた」としています。

 

コンセプトや飲用シーンに立脚した開発

福徳長酒類「ここよいハイボール」

開栓した瞬間から甘みを予感させる瑞々しい柑橘アロマが感じられる「ここよいハイボール」は、口に含むと一転、ホワイトペッパーのようなスパイシーで複雑な香味が口のなかに広がる点が印象的。ドライな口当たりでドリンカビリティも高く、スパイスを効かせたさまざまな肉料理や魚料理とも相性抜群と言えそうです(編集部)

「焼酎を超える焼酎をつくりたい」との強い想いとともに、山口氏が音頭を取るかたちで社内有志により2023年4月に立ちあげられたという本商品の開発プロジェクトでは、「通常の開発では今までの焼酎の枠を超えられない」との課題意識があったそう。そこで、「自分自身は開発者としてのキャリアのなかで“できなかったこと”や“失敗したこと”の経験も一方で積み重なっていたため、“これをやっちゃいけない”とか“これは昔失敗した”なんて言って、せっかくのアイディアを潰してしまわないように」と、開発部門の責任者である宮﨑氏自身ですが、今回はあえてプロジェクトのメンバーに入らなかったそうです。

そのうえで若手中心で開発を進めていったという「ここよい」。個別の事例では、今までもホップやエール酵母を採用していたケースはあったそうですが、「技術視点での原材料選定を超えて、あくまでもコンセプトや飲用シーンに立脚し、そこから具体的な素材や製法に落とし込んでいった」という宮﨑氏。そうした開発プロセスを通して、「複数のボタニカルを組み合わせたうえでエール酵母を用いるなど、総合的に1つの商品としてまとめあげたことも、今回の商品がお客様に刺さるポイントになるのではないか」と語ってくれました。

 


商品概要

「ここよい(KOKOYOI)」概要

福徳長酒類「ここよい」
商品名
ここよい(KOKOYOI)
品目
焼酎乙類
アルコール分
25%
内容量・容器
600ml ・ 瓶
荷姿
6本入りダンボール
参考小売価格
1,280円(税抜き)
発売日
2025年9月16日(火)
発売地域
全国
Webサイト
「ここよい」ブランドサイト
「ここよい」商品情報

「ここよいハイボール」概要

福徳長酒類「ここよいハイボール」

缶体表面(左)、缶体裏面(右)

商品名
ここよいハイボール
品目
焼酎乙類(発泡性)
アルコール分
6%
内容量・容器
350ml ・ 缶
荷姿
24本入りダンボール
参考小売価格
198円(税抜き)
発売日
2025年10月8日(水)
発売地域
全国のセブン‐イレブンの酒類取扱店舗(沖縄県を除く)
※ 店舗によって一部取り扱いがない場合があります。
Webサイト
「ここよい」ブランドサイト
「ここよいハイボール」商品情報

 

 

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