目標はピルスナーでWBC10連覇!横浜ベイブルーイングが缶製品を新発売

神奈川県横浜市のクラフトビールメーカー、横浜ベイブルーイングは2025年7月15日(火)、創業以来初となる缶ビールシリーズ4製品「ベイピルスナー」「ゆずヴァイス」「ベイヴァイス」「ベイダーク」の販売を開始しました。
世界最大のWORLD BEER CUPで頂点に
今回発売される4商品のうち、「ベイピルスナー」と「ゆずヴァイス」は、2025年5月に米インディアナ州で開催された世界最大のビール審査会「ワールドビアカップ2025(WORLD BEER CUP2025、以下WBC)」にて、それぞれ金賞と銀賞を受賞したビールです。「ゆずヴァイス」は2024年大会でも金賞を受賞しており、2年連続受賞の快挙となりました。
「世界一のピルスナーをつくる」という目標を掲げ、2011年に横浜・関内で誕生し、2014年にはチェコ最大のビール審査会「GOLD BREWER’S SEAL」にて、「ベイピルスナー」が「Microbrewery special light beer部門」でアジア勢初の金賞を受賞した横浜ベイブルーイング。
今回は、そんな横浜ベイブルーイングの代表取締役/醸造責任者/蒸留責任者であり、冬季における日本最大規模のクラフトビールイベント「JAPAN BREWERS CUP」の実行委員長も務める鈴木真也(すずき・しんや)氏に、長らく目標にしていたというWBCでのピルスナー金賞受賞の喜びや、同社のビールづくりに関するこだわり、今後の目標や横浜エリアへの想いなどを聞きました。
アメリカやチェコのビールづくりを融合
横浜ベイブルーイングのピルスナーは、チェコ発祥の“ボヘミアン・ピルスナー”と呼ばれるスタイルを採用しています。ビールづくりをはじめて20年、ときには本場を訪れてチェコの伝統的なビールづくりを深く学んできた鈴木氏ですが、WBC等の審査会では「チェコの伝統的な手法だけでは勝てない」と感じる面もあったそう。
そこで、「ベイピルスナー」をさらに飲みやすくクリーンな味わいにすべく、アメリカやチェコのビールづくりを融合させる形で自身のオリジナルレシピを構築していったことが、WBC2025の勝因ではないかと語ってくれました。
トリプルデコクションで引き出される味わい
「ベイピルスナー」の大きな特徴は“トリプルデコクション”と呼ばれる製法を採用している点であり、同製法でビールに加えられる独特のカラメル香をとても大切にしているという鈴木氏。1日の仕込み時間がおよそ10時間にもおよぶという手間暇のかかる手法であることから、長時間労働を避けるアメリカのブルワリーでは採用されていないそうですが、「トリプルデコクションでないと出せないフレーバーがあるので、そこはすごく大事にしている」と話してくれました。
併せて、「ベイピルスナー」は昨年、それまで伝統的なチェコの手法に寄っていたレシピを大幅に変更。よりクリーンで飲みやすいフレーバーにすべく、ホップもチェコ産100%からドイツの品種を組み合わせ、苦味が強くなり過ぎないように調整したそう。そのうえで、「本当に飲みやすいビールになった。これで行こう」と、レシピ変更後に初めて出品した今年のWBCで見事金賞を受賞。「エントリー数の規模も頭ひとつ飛び抜けているWBCは、他のあらゆる審査会と比べてもビール職人のなかで別格扱い。そのWBCで受賞を常に目指していた」という鈴木氏としても、今回の受賞は感無量だったとしています。
常温流通目指し微生物研究のラボも建設
また、横浜ベイブルーイングは現在、工場内にラボを建設しており、今後は完成したラボで微生物の研究をしていく方針とのこと。培地検査を通し、ビールづくりにおいて混入してはならない乳酸菌等のさまざまな微生物が繁殖していないかどうかのテストを重ね、ビールの中で繁殖してはならないネガティブな微生物の繁殖をゼロにしたうえで常温流通を目指すとしています。
微生物がゼロになったビールを缶に詰めて9か月後、一部のホップの風味を除いてビールに劣化が一切見られなければ、常温化に踏み切る予定という鈴木氏。「常温流通の可否は検査機関が示すものでなく自社での判断が必要になるので、今回のラボはそのための施設。また、その後の段階にはなるが、将来的には酵母の研究・培養も行えるようにしていきたい」と、今後の方針を話してくれました。
横浜&ベイブルーイングのこれから
取材では、横浜エリアへの想いや今後の目標についてもお話を伺ってみました。横浜生まれ横浜育ちの鈴木氏は、日ごろから「Making Yokohama the craft beer city of Japan!(横浜をクラフトビアシティへ!)」というテーマを掲げています。「観光客の方々がビールを飲むことだけを目的に横浜へ来るような、そんな街にしていきたいし、その可能性がある場所だと思っている」という鈴木氏。「その意味でも、ハイクオリティなビールを提供するブルワリーや飲食店が増えていって欲しい。(海外から見ても)『ビール飲むなら日本の横浜がいいよ』となるようにしたい」と、地元横浜への思いを語ってくれました。
一方、自社のクラフトビール事業については、現在は工場の製造量が最大生産能力近くにまで来ているそう。そこで今後は第2工場の建設または工場移転を検討しており、「もっと大規模に生産し、かつクオリティを高めていけるような工場のための候補地」を今は探しているとしています。
また、WBCについては、ピルスナーでデコクションを採用しているブルワリーが金賞を受賞したのは2014年以降初めてとのこと。「2014年以降はマッシングでインフュージョン法を採用するアメリカ勢が金賞を獲り続けていたが、もともとボヘミアン・ピルスナーはデコクションでつくるもの。だから、デコクションでしか出せないフレーバーを皆に目指してもらうためにも、我々がピルスナーで金賞を獲り続けないといけない」という鈴木氏。「アメリカの方々にデコクションやチェコの製法に振り向いてもらうためにも、目標として10連覇。『ベイピルスナー』でWCB10連覇を目標にすると、会社のメンバーにも話しています」と、今後に向けた大きな目標を語ってくれました。
製品概要
ベイピルスナー/BAY PILSNER
ピルスナーの本場チェコの伝統的製法「トリプルデコクション」によって麦汁を煮込む作業を繰り返すことにより、黄金色に仕上げたボヘミアンピルスナー。チェコ産ザーツホップ、ドイツ産ハラタウ系ホップの爽やかなアロマと、デコクションによるカラメルアロマ、そしてしっかりとした苦味とクリーンなフィニッシュが特徴とのこと。世界最大のビール審査会「WORLD BEER CUP 2025」Bohemian-Style Pilsener部門にてアジア勢初の金賞を受賞しました。
- 製品名
- ベイピルスナー/BAY PILSNER
- ビアスタイル
- ボヘミアンピルスナー
- 受賞歴
- WORLD BEER CUP 2025金賞
GOLD BREWERS SEAL 2014金賞 - 酒類分類
- ビール
- 原材料名
- 麦芽(ドイツ製造)、ホップ
- 容量
- 各350ml
- アルコール度数
- 5%
- 賞味期限
- 製造から240日(要冷蔵)
- 販売価格
- 税別540円
ゆずヴァイス/YUZU WEISS
ゆずを使用したフルーティーなヴァイツェン。小麦の優しい口当たりと、ニュージーランド産ホップによる柑橘アロマ、そしてゆずのフレーヴァーが融合した爽やかなテイストが楽しめるとのこと。世界最大のビール審査会「WORLD BEER CUP」Fruit Wheat Beer部門にて2024年金賞、2025年銀賞と連続受賞を達成しました。
- 製品名
- ゆずヴァイス/YUZU WEISS
- ビアスタイル
- フルーツウィート
- 受賞歴
- WORLD BEER CUP 2024金賞
WORLD BEER CUP 2025銀賞 - 酒類分類
- 発泡酒(麦芽使用率50%以上)
- 原材料名
- 麦芽(ドイツ製造)、小麦麦芽、ホップ、ゆず果汁(神奈川県産)
- 容量
- 各350ml
- アルコール度数
- 5.5%
- 賞味期限
- 製造から240日(要冷蔵)
- 販売価格
- 税別590円
ベイヴァイス/BAY WEISS
ドイツ・バイエルン州で盛んにつくられている、小麦麦芽と酵母による濁りが特徴の“ヘーフェ・ヴァイツェン”。バナナを思わせるフルーティーなアロマと小麦由来の優しい麦の味が特徴という白ビール。JAPAN BREWERS CUP 2017小麦ビール部門優勝。
- 製品名
- ベイヴァイス/BAY WEISS
- ビアスタイル
- ヘーフェヴァイツェン
- 受賞歴
- JAPAN BREWERS CUP 2017 1位
- 酒類分類
- ビール
- 原材料名
- 麦芽(ドイツ製造)、ホップ
- 容量
- 各350ml
- アルコール度数
- 5%
- 賞味期限
- 製造から240日(要冷蔵)
- 販売価格
- 税別540円
ベイダーク/BAY DARK
チェコ・プラハの老舗醸造所「U Fleků(ウ・フレク)」に古くから伝わる醸造方法で仕込んだというボヘミアンダークラガー。焙煎麦芽由来のチョコレートアロマとデコクション製法によるカラメルフレーヴァー、そしてチェコ産ザーツホップの爽やかな苦みが特徴とのこと。見た目は真っ黒ですが、軽快なフィニッシュで何杯も飲めてしまうような黒ビールに仕上げたとしています。
- 製品名
- ベイダーク/BAY DARK
- ビアスタイル
- ボヘミアンダークラガー
- 受賞歴
- 酒類分類
- ビール
- 原材料名
- 麦芽(ドイツ製造)、ホップ
- 容量
- 各350ml
- アルコール度数
- 5%
- 賞味期限
- 製造から240日(要冷蔵)
- 販売価格
- 税別540円
その他、販売情報
- 販売場所
- 横浜ベイブルーイング関内本店、戸塚店、横浜フロント店、戸塚工場、横浜ジン蒸溜所。一般発売開始後順次、神奈川・都内の一部小売店・ビアバーにて販売予定。
- 一般発売日
- 2025年7月23日(水)
- Webサイト
- 横浜ベイブルーイング 公式サイト
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
Twitter でオールウェイズ・ラブ・ビールをフォローしよう!
Follow @alwayslovebeertブルワリーやビアバー,新発売&新商品,特集2025年,Craft Beer,クラフトビール,ビール,新商品,新発売
Posted by shioriworks0520
関連記事

Far Yeast、間引かれたワイン用ぶどう使ったジューシーIPA発売!
Far Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング、山梨県小菅村)は ...

超人気ビール「Stone Enjoy By」新作発売!賞味期限は22年1月1日
ナガノトレーディングは2021年12月1日(水)、米Stone Brewingの ...

CRAFTXが紫芋使った深紅のビール発売!醸造は宮崎ひでじビール
総合アルコールブランド「CRAFTX」を展開するMOON-Xは2021年11月8 ...

キリンビール、「キリン一番搾り生ビール」でホップ配合を工夫するなどのリニューアル
キリンビールは、今年で発売30年目を迎る同社フラッグシップブランド「キリン一番搾 ...

お正月限定! 水引付き一升瓶ビール&干支ねずみ入り賀正ビール
サンクトガーレンは2019月12月2日(月)、お正月限定となる水引飾り付きの「一 ...
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません