日本を元気に!奈良の山椒を使ったアップサイクルビールYORIMICHI

株式会社ゆいまーる(東京都港区)がプロデュースするクラフトビールブランドJUNGLE BREWERY(ジャングルブルワリー)は、2025年12月20日(土)にアップサイクルビール「YORIMICHI -山椒×奈良-」を発売しました。

本記事では、銀座のイベントスペースで同日行われた開栓イベントの様子とともにレポートします。

アップサイクルに特化したYORIMICHI第三弾

株式会社ゆいまーるは、2019年にクラフトビール事業「JUNGLE BREWERY」を立ち上げて以来、果実などの国産素材を副原料に使ったさまざまなビールを発売してきました。
島袋尚美代表はSDGsに関する活動に以前から意欲があり、コロナ禍で経営に苦しんでいた北海道の小豆農園との出会いをきっかけに、規格外の農産物を利用するアップサイクルビールを手掛けるようになりました。

2025年春にはアップサイクルに特化したシリーズ「YORIMICHI」の販売を開始。香川の苺、熊本の生姜に次ぐ第三弾として、今回、奈良の生山椒を副原料としたクラフトビール「YORIMICHI -山椒×奈良-」を発表しました。
「YORIMICHI」の命名は、”人生も、食材も、ちょっと寄り道した方がおいしくなる”との思いから。SDGsを難しく捉えるのではなく、「たのしいはツクレル」をテーマに「ただただおいしーーー!とつい叫んでしまうビール」をつくろうと味にもこだわっています。

島袋尚美代表

JUNGLE BREWERY島袋尚美代表。「若者のエンパワーメントを通じて、日本を元気に!」と常に情熱を燃やし続ける彼女に会いたくて訪れた参加者も。

「生山椒を固形のまま加えると苦味が強すぎるので少し砕いて漬け込むのですが、えぐみが出ないように漬け込みを3日程度に抑えるなど、味を決めるまでにいろいろと試行錯誤の段階がありました」と島袋代表は話します。
JUNGLE BREWERYは外部の醸造所に副原料などを持ち込んで委託製造する、いわゆる「ファントムブルワリー」の業態とのこと。今回タッグを組んだのは東京の二子玉川にあるふたこビール醸造所で、地元を盛り上げようと人同士の繋がりを大切にする姿勢に共感して依頼したそうです。

同ブルワリーは粉山椒によるビールづくりの経験はあったものの、生の山椒を取り入れるのは初めて。生山椒の風味をはっきり出したいものの、ビール初心者の方にまで幅広く楽しんでもらうために尖りすぎないようにというスタンスも大事にしており、ホワイトエールらしい軽さとスッキリ感のある仕上がりに。柑橘類に分類される山椒の、爽やかな香りを出すのには特に苦労したそうです。

アップサイクルクラフトビールYORIMICHI-山椒×奈良-

完熟の美味しさにこだわる奈良の山椒

そもそも今回山椒を使ったのは、「以前、山椒のビールを飲んだことがあるけれど、もっとはっきり山椒を感じるアップサイクルビールをつくってみたい」というスタッフの思いから。そこでアプローチをしたのが、奈良県西吉野で100年以上農業を続ける萩本農園です。
萩本農園では、安全性を重視し手間暇をかけて作物を育てており、味を左右する「収穫のタイミング」を最も大切にしているそうです。一般的な流通方法ではお客様に届くまでに時間がかかるため早めに収穫しなければなりませんが、自ら販路を開拓することで、完熟のときに収穫した一番美味しい状態で食べてもらう努力を続けています。
その中で、わずかに収穫時期を逸した規格外の山椒があり、今回クラフトビールとして生まれ変わりました。

萩本農園さんの想いを伝えるスライド

アップサイクルの取り組みを打診した生産者の方々には「困っていたからありがたい」と感謝されることがあり、「生産者の方は困っていてもあまり発信しないことが多いようなので、こちらから声をかけさせてもらうことも大切だと感じる」とのことです。

山椒と相性のいいおつまみとともに

「日本の農業や生産者に貢献したい。若い力で日本を元気にしたい」という島袋代表の熱い思いに打たれて集まった若いスタッフがJUNGLE BREWERYには多く、それに呼応するように集まったイベント参加者も20代・30代の男女が中心のようでした。

会場には、山椒塩フライドポテトや、山椒といぶりがっこ入りのポテトサラダ、萩本農園のあんぽ柿といったおつまみも並び、「食卓に合うビール」としての山椒ビールを、70名を超える参加者が堪能しました。

「山椒と言えばうなぎのイメージしかなかったけれど、こんな楽しみ方もあるんだと思った」「普段ビールをあまり飲まない人でも飲みやすいと感じるのでは」「クラフトビールはあまり飲んだことがなかったが、ラベルが可愛いくて味も楽しめたので、他ももっと知りたくなった」、「生産者の愛情が詰まっていると知った。そんなビールはやっぱり美味しい」といった声が聞かれました。

「YORIMICHI -山椒×奈良-」は、都内の飲食店各所で販売します。

商品概要

アップサイクルクラフトビールYORIMICHI -山椒×奈良-

商品名
YORIMICHI -山椒×奈良-
アルコール分
5%
スタイル
ホワイトエール
販売先飲食店
CRAFT BEER-T(池袋)
メリールー(三軒茶屋)
酒場Anchor〜アンカー〜(門前仲町)
上野遊戯倶楽部(上野)
蒲田カフェ(西蒲田)
KAKUMEI Burger&Café(西蒲田)
YORIMICHI Webサイト
JUNGLE BREWERY

 

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柏崎真弓
この記事を書いた人
柏崎真弓
「Always Love Beer(オールウェイズ・ラブ・ビール)」ライター
都内の編集プロダクションで雑誌編集ライターとして約3年、地方新聞の記者として約1年の勤務経験を積む。2009年にインナーライズを立ち上げ、フリーランスとして独立。以来、取材・執筆、WEB・紙媒体等のデザイン制作、さらに心身のヒーリングを行う。
HP:インナーライズ