サンクトガーレン、アルコール度数10％の“麦のワイン”2種をボジョレー解禁に合わせ発売

2018-11-19

サンクトガーレンは2018年11月15日（木）のボジョレー・ヌーボー解禁日に合わせ、“麦のワイン”と呼ばれる高アルコールのビール「el Diablo 2018／エル ディアブロ2018（悪魔）」と「Un angel 2018／ウン アンヘル2018（天使）」を各8000本限定で発売します。

「バーレーワイン」と「ウィートワイン」

麦のワインのはじまりは19世紀。寒冷でブドウ栽培を行えなかったイギリスの人々が、フランスワインの人気に対抗してワインのようなビールを造ったことがはじまりと言われているそうです。

当時つくられていたのは大麦麦芽を主原料とした「バーレイワイン（Barley Wine）」だけでしたが、1980年代にはアメリカで小麦麦芽を主原料にした「ウィートワイン（Wheat Wine）」が誕生しました。

同社比2.5倍の麦芽を使用

サンクトガーレンは2006年にバーレイワイン、2012年にウィートワインを発売。ともに原材料は通常のビールと同じ麦芽・ホップ・水・ビール酵母ですが、麦芽は通常の2.5倍以上使用するほか、濃度の高い麦汁だけを使うため、通常1回の仕込みで約2,000Lを醸造できるサンクトガーレンの醸造システムでも麦のワインは1,000Lしかつくれないそうです。

そのフレーバーは非常に濃厚で、蜜のようにとろりとした口当たりが特徴。特にウィートワインの主原料となる小麦麦芽は大麦麦芽よりタンパク質が多く、液の粘度が強いため“とろみ”をより強く感じるとしています。

また、ホップはウィートワインで通常比2.7倍、バーレイワインで同6倍以上も使うため、特にバーレイワインは通常のビールと比較にならないほどの濃厚さに加え、華やかな香りと重厚な苦味を併せ持った仕上がりになるとのことです。

ただ、熟成期間は通常の6倍以上に達し、繁忙期となる夏にタンクを占領し続ける麦のワインは製造コストも並大抵ではないため、日本でつくっているメーカーは限られているそうです。

アルコール度数はともに10％。出荷時点で通常比6倍の熟成期間を経ているので、すぐに飲んでもブランデーを思わせる熟成感はあるものの、購入後に1年、2年と熟成させることで香りも味わいも驚くほど深みを増し、複雑味を帯びていくそうです。賞味期限は5年間となります。

そんな麦のワインを、サンクトガーレンはシャンパンと同じ瓶内2次発酵製法で仕上げています。発酵の終了したビールから古いビール酵母を取り除き、新鮮なビール酵母と糖分（麦汁）を添加して1本1本手作業で密封。

また、瓶詰め時に通常行われる炭酸ガス注入も行わず、瓶に詰めたあと酵母が活動しやすい温度（13度前後）で2週間程度保ち、このときの発酵活動によって自然発生する炭酸ガスをビールに溶け込ませて仕上げているそうです。

これによって栓を開ける瞬間まで発酵が続くという麦のワイン。単なる酵母入りビールとは一線を画す、まさに“生きている”ビールと言えそうです。

“麦のワイン”概要

概要「el Diablo 2018／エル ディアブロ2018（悪魔）」

概要「Un angel 2018／ウン アンヘル2018（天使）」