キリンがGREEN’S FREE ACTION始動!武蔵美生が考える“未来の酒場”とは

キリンビールは2026年4月、お酒のポジティブな価値を広げるブランド横断の取り組み「ブランドアクション」の一環として、同社ノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー(以下、グリーンズフリー)」に関するアクション「GREEN’S FREE ACTION」をスタートしました。
本記事では、その第1弾として、4月20日(月)に都内小平市の武蔵野美術大学 鷹の台キャンパスで実施された、特別講義「空気を変えるデザイン -未来のカンパイを取り巻く空気を考える-」の様子をレポートします。
産学共同でソーシャルデザインを提案
誰もがお酒の場を楽しめる文化の共創を目指すという「GREEM’S FREE ACTION」の第1弾となる今回の講義は、2026年1月製造品から順次実施されていた「グリーンズフリー」のリニューアルに伴って、キリンビールからの声がけでスタートしたという武蔵野美術大学との産学共同プログラムです。
『「飲み人」と「飲まない人」がともに心地よく過ごせる場や関係性を生み出すソーシャルデザインの提案・制作』を行うべく、武蔵野美術大学で1単位の科目として、学部3年生以上の学生20名を対象に9月から開講するという講義を、4月20日の特別講義では90分に凝縮。アウトプットを行う後半のワークショップは、「武蔵美クリエイティビティを見せて欲しい。正解はないので、皆さん、自由にアイデアを出してください」(武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科の清水恒平教授)との話を受け、参加した33名の学生の方々がさまざまな“未来の酒場”のアイデアを披露する場となりました。
新しいお酒文化をともに創りたい
ワークショップに先立ち、インプットを行う講義前半は、まずキリンビールのマーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当主務の小澤彩美氏が登壇。ビールと同じ原材料を使ってすがすがしい味わいを引き出したという「グリーンズフリー」の特徴やコンセプト、そして同社ブランドアクションの取り組みなどについて説明を行いました。2009年に世界初となるアルコール度数0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリンフリー」を発売し、ノンアルコールの領域を切り拓いてきたというキリンビール。近年はノンアルコールを積極的に選択する顧客が増えており、同社調べによると2024年の購入者数は2019年比で120%に成長。ライフスタイルの変化、健康意識の高まり、顧客の価値観の変化などを受け、同社としては今後もノンアルコール市場が伸長し続けると考えているとのことです。
そうしたなか、キリンビールは「グリーンズフリー」からブランドアクション「GREEM’S FREE ACTION」をスタート。「お酒の席というのは本来楽しいものだと考えているが、ときには居心地の悪さを感じてしまうような空気や場面もあるのかなと思う」という小澤氏。そうした現状に対して、「アルコール0.00%のノンアルを初めて出したキリンビールとして、誰もが自然にその場にいられるような新しいお酒の文化を、これから社会を担う学生の皆さまと一緒に考え、つくり、つないでいきたい」と、今回の協働に向けた期待を述べました。
お酒の強さは体質であり人それぞれ
続いて、キリンビール企画部主査の草野結子氏からは、アルコール摂取や代謝に関する基本的な知識等について講義が行われました。実は日本人は40%がお酒に弱く、4%はまったく飲めないそう。また、一般的には体内の水分量が少なく肝臓も小さい傾向にあることから、女性(※)はお酒の影響を受けやすいため、飲酒量も男性の2/3程度が良いとされているとしています。
※ 出生時に割り当てられた性別として
そうしたお酒の強さは体質として変わらないことから、お酒を楽しむためには「無理して飲まない&飲ませないことはもちろん、自分にとっての適切な飲酒量を把握することが大切」と話す草野氏。そのうえで、「飲酒量(ml)×アルコール度数(%)×比重0.8」で計算されるお酒ごとのアルコール量を把握するとともに、食事とともに時間をかけて楽しむ、あるいは水やソフトドリンクを間にはさみながら飲むなど、飲み方の工夫もポイントになると、草野氏は語りました。このほか、講義ではお酒の強さを簡易的に判定する「アルコールパッチテスト」も行われました。
3つの‘I’をつなげてストーリーに
続いて、9月にスタートする講義で教鞭をとる(株)電通の伊豆原浩太氏と、デザインで(株)の齊藤智法氏が登壇し、ソーシャルデザインの考え方などについて、両氏がこれまで手掛けてきた事例の紹介を交えてレクチャーを行いました。ソーシャルデザインにおける大切なポイントは、イシュー(Issue)、インサイト(Insight)、アイデア(Idea)という3つの‘I’になるという伊豆原氏は、かつて手掛けた埼玉西武ライオンズ(以下、西武ライオンズ)のソーシャルアクションを紹介。本プロジェクトは、西武ライオンズというチーム名が「SAVE LIONS(ライオンを救え)」という文章と同じ発音ということで、実際に絶滅の危機に晒されている野生のライオンの保全プロジェクトとして提案したものだったそうです。
「野生のライオンが絶滅の危機に晒されている」という社会課題(Issue)に対し、「西武ライオンズのファンも球団のシンボルであるライオンを守りたいと考えているのではないか」という生活者のインサイト(Insight)をベースに、「『西武ライオンズ!』という応援の掛け声を『SAVE LIONS!』というライオン保全の掛け声に変換する」というアイデア(Idea)でプロジェクト化。さらに、コミュニケーションの求心力を高めるべく、アートディレクターの齊藤氏は、球団の旧ロゴマーク中央に描かれていた球団のシンボル=ライオンが「このままでは絶滅してしまうことを瞬時に感じられるよう」ライオンの部分を白抜きにしたプロジェクトロゴをデザイン。そうして、ホームラン1本につき1万円がライオンの保全活動に寄付されるというプロジェクトの建て付けが行われました。本プロジェクト関連のツイートは約2万件に達するなど、多くのファンを巻き込んでライオン保全の空気を生み出したという同プロジェクト。「3つの‘I’をストーリーとして、整合性を持たせたうえで繋げることによってコミュニケーションが生まれ、かつ、分かりやすいキャッチーな言葉やデザインが世の中の空気づくりを後押ししていった」(伊豆原氏)という事例を語ってくれました。
今までにない酒場のアイデアを考えよう
講義後半では、いよいよワークショップに入ります。まずは、参加学生が任意に着席した8つのテーブルで、それぞれ自己紹介を行ったのち、「飲む人も飲まない人もみんなが楽しめる 全く新しい酒場のアイデア」というテーマで、空間、ルール、メニュー、体験、コミュニケーション等、どのような切り口でも良いので付箋に書き出すという10分間のブレインストーミングが行われました。
「質より量」「“それ違うんじゃない?”という話になると止まってしまうので、人の意見は否定しない」「“あ、それなら、こんなことも思いついた”と、人のアイデアに乗っかるのはOK」「結論を急がない。“これって何かアイデアにつながるんじゃない?”というのもOK」「あとで見返すと何かヒントになる可能性があるので、とにかく付箋にたくさん書く」(清水教授)等のルールを共有したうえで、短い時間のなかで大量の付箋が各テーブルを埋めていきます。
アイデアをシェア&統合してプレゼン準備
その後、各テーブルで決めたホスト1名がテーブルに残り、他のメンバーはそれぞれ別のテーブルに移動。同じテーブルにいた人は別のテーブルで同席しないよう全員をシャッフルしたうえで、各テーブルで出ていたアイデアを皆がシェアしていきます。また、移動先のテーブルで紹介されたアイデアに対して、何か発展できるようなアイデアがあればそこで自由に追加していきます。
その後、15分をかけてアイデアの統合と発表準備を進めます。全員が元のテーブルに戻り、アイデアを共有したうえで一番面白そうな“未来の酒場”のアイデアを1つ厳選。それを1分間でプレゼンテーションすべく模造紙にまとめていきます。酒場のネーミングとコンセプトの書き出し、そして、それらを分かりやすくビジュアライズするという3点を踏まえつつ、各テーブルでアイデアが統合されていきました。
気軽にコミュニケートできる仕掛けが続々
ひとりでも友達同士でもふらっと入りやすいよう、古民家カフェや和風喫茶のような外観をイメージした「カフェ&バーNAGOMI」
飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる“時間割り”を企画した「武蔵野酒場大学」。上写真にあったミラーボールは、実は“ノンアルタイム”に登場
グラスは不透明で誰が何を飲んでいるか気にせず楽しめる「しゃべくり酒場」。メニューはソフトドリンクがメインでアルコール入りがプラス料金に
そうして最後に8チームが“未来の酒場”をプレゼンテーションしていきました。占いと酒場を掛け合わせたというお悩み相談の「ハッピー★ホッピィ酒場」、明るく気軽に入れるカフェのような雰囲気の「カフェ&バーNAGOMI」、飲む人も飲まない人も一緒に楽しめる“時間割り”があるという「武蔵野酒場大学」、酔うためでなく会話がメインの「しゃべくり酒場」等々、ユニークなアイデアが次々と、美大生らしく楽しくビジュアライズしたうえでプレゼンテーションが行われ、教室は大いに盛り上がりました。
全体の傾向として学生の方々は、お酒を楽しむことより、むしろ会話や悩み相談をスムーズに進めるためのツールとしてお酒を捉えたうえで、そうした「コミュニケーションというゴール」から酒場のあり方をブレイクダウンして考えているように感じられました。また、アルコールとの適切な距離感を考える傾向が強いと言われる若い世代らしく、たとえば「ノンアルを“余りものの”ように見せないメニュー表記」や「互いが何を飲んでいるか分からないようにする不透明なグラス」等、普段お酒を嗜む人々の立場ではなかなか気づきにくい、飲まない人にとってもコミュニケーションをとりやすい環境への細かい配慮も目立っていたように思います。
今後は、9月にスタートする「GREEN’S FREE ACTION」第2弾の講義のなかで、「誰もがお酒の場を楽しめる文化」の創造につながるソーシャルデザインの作品を制作する予定。講義の詳細は現在計画中とのことですが、今回参加者が実施した「アルコールパッチテスト」のパッケージデザインのほか、グラフィック、映像、SNS、体験、空間など、さまざまな形での制作を考えているそう。また、12月以降の第3弾では、第2弾で制作した作品について、プレゼンテーション、展示、イベント開催等の対外発信を行って、共感の輪の拡大を目指していくとしています。
「キリン グリーンズフリー」概要
- 商品名
- キリン グリーンズフリー
- 発売地域
- 全国
- 発売日
- 2026年1月製造品から順次切り替え
- 容量・容器
- 350ml・缶、500ml・缶、334ml・小びん
- 価格
- オープン価格
- アルコール分
- 0.00%
- 製造工場
- キリンビール取手工場、滋賀工場、岡山工場(予定)
- Webサイト
- 「キリン グリーンズフリー」公式ページ
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