LGBTQ+プライド運動を象徴するバー「Stonewall Inn」の名を冠したビール発売!

キリンビール/BROOKLYN BREWERY「The Stonewall Inn IPA」

キリンビールは2026年5月26日(火)、米国の代表的なクラフトブルワリー BROOKLYN BREWERY(ブルックリン・ブルワリー)社のクラフトビール「The Stonewall Inn IPAザ・ストーンウォールイン アイピーエー)」(350ml缶)を、全国で数量限定発売しました。

キリンビールの会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」では5月21日(木)より配送を開始しているほか、飲食店向けクラフトビール専用サーバー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」の3Lペットボトルは5月25日(月)にECサイトで受注を開始しています。

本記事では、5月上旬に都内・中央区のブルックリン・ブルワリー旗艦店「B by the Brooklyn Brewery」で開催された「The Stonewall Inn IPA」発売記念プレス発表会の様子も交えてレポートします。

 

豊かなホップの風味楽しめるセッションIPA

キリンビール/BROOKLYN BREWERY「The Stonewall Inn IPA」

「The Stonewall Inn IPA」は、LGBTQ+プライド運動の世界的な象徴として知られるNYのバー「Stonewall Inn(ストーンウォール・イン)」の名を冠したビールです。1969年、性的マイノリティの人々を包摂する数少ない場所の1つであった「Stonewall Inn」に対する、警察の強権的な捜査に反旗を翻す形で生まれたデモ「ストーンウォールの反乱」は、やがて性の多様性を肯定し、差別や偏見のない社会を目指すLGBTQ+プライド運動のムーブメントにつながっていきます。本商品は、その「Stonewall Inn」が立ち上げた非営利団体「The Stonewall Inn Gives Back Initiative(SIGBI)」の公式ビールとして、2017年に米国で誕生しました。

「多様性を尊重し、ありのままの姿を受け入れる」というBROOKLYN BREWERYの精神を体現したという「The Stonewall Inn IPA」のコンセプトは、「すべての人が自分らしく楽しめるIPA(インディア・ペールエール)」。グレープフルーツのような香りと爽やかな味わいが特長で、低めのアルコール度数ながらIPA特有となるホップの風味や香りをしっかりと感じられる“セッションIPA”に仕上がっているとのことです。パッケージには多様な人々がともに輝く世界を象徴したレインボーを採用しており、裏面には多様性を支援する「FEARLESS(勇敢)・ PROUD(誇り)・FOR ALL(すべての人のために)」という3つの言葉も記載されました。

 

ブランドは日本でも拡大フェーズへ

ブルックリンブルワリー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 大谷 哲司 氏

現在世界30カ国で愛されているというBROOKLYN BREWERYは、元AP通信記者のスティーブ・ヒンディー氏が、当時荒廃していたNYブルックリン地区を活性化したいとの思いで1988年に創業したクラフトブルワリーです。同社のロゴは「I ♥︎ New York」のロゴで知られる世界的アーティストのミルトン・グレイザー氏によるもの。ヒンディー氏からの熱烈なオファーに応えたグレイザー氏は、ギャランティを受け取らず「一生分のビール」等で同社のロゴ制作を請け負ったそうです。

そんなBROOKLYN BREWERYが世界で初めてビール輸出した国が日本であり、2016年にはキリンビールとの資本業務提携によるジョイントベンチャーで、ブルックリンブルワリー・ジャパンが設立。2020年には、こちらも世界初となる同社コンセプトショップ「B by the Brooklyn Brewery」が日本橋の兜町にオープンしました。そうした取り組みとともに、ブランドを日本で少しずつ広めてきたというこれまでのステージを経て、同社は現在、料飲から量販に少しずつ軸を移しており、「BROOKLYN LAGER(ブルックリンラガー)」と「BROOKLYN PULP ART HAZY IPA(ブルックリンパルプアートヘイジーIPA)」の2品を定番として展開。2025年は2023年比で約170%の成長を遂げるなど、「非常に良い状況で伸長している」と語るのは、ブルックリンブルワリー・ジャパン社長の大谷哲司氏です。

 

ブルックリンブルワリー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 大谷 哲司 氏

ブルックリンブルワリー・ジャパン 代表取締役社長 大谷 哲司 氏

「クラフトビール全体を通して言えることでもあるが、40-60代のお客様がメインターゲットとなる一般的な大手メーカーのビールに比べて、我々の製品は、特に20-30代の若年層に大きな支持をいただいている」(大谷氏)とのこと。現在はSNSキャンペーン等のデジタルコミュニケーションを通じ、さらに幅広い層にアプローチしているとしています。

また、同社は現在「CULTURAL CONNECTOR」を重要な活動方針の1つに掲げており、文具メーカーHIGHTIDEとのコラボグッズ制作、今回の「The Stonewall Inn IPA」を軸にした各種イベント開催、LGBTQ+プライド運動の一大イベントである「Tokyo Pride 2026」への出店、ブリューマスター ギャレット・トリバー氏の来日イベント開催、そして「B by the Brooklyn Brewery」での音楽イベント等々、今年は「ビールを中心にしてカルチャーと人を結びつけていく活動」(大谷氏)を積極的に展開していきたいとしています。

 

ブルックリンに根ざすブランド理念に一致

ブルックリン・ブルワリー President Robin Ottaway 氏

発表会では、本国から来日した同社プレジデントのRobin Ottaway(ロビン・オッタウェイ)氏も登壇。「好奇心旺盛で、すべてを受け入れるような、ブルックリンの魂や精神を体現するようなオープンマインドのプレジデント」(大谷氏)であるというオッタウェイ氏からは、BROOKLYN BREWERYとStonewall Innとの連携や各種イニシアチブについて、その背景や思いなどが語られました。NYの多様な団体を日頃から支援してきたBROOKLYN BREWERYにとって「現在の取り組みは、ごく自然な流れ」(オッタウェイ氏)であり、SIGBIからの公式ビール製造の打診に対しても、すぐに承諾して、2017年に両者のリレーションシップがスタートしたとしています。

 

自分らしく生きることが尊重される社会へ

BROOKLYN BREWERY President Robin Ottaway 氏

BROOKLYN BREWERY President Robin Ottaway 氏

「ご存知の通り、アメリカは移民の国であり、私たちも皆、もともとはどこか別の場所からアメリカへやって来ました」というオッタウェイ氏。アメリカ人の7人に1人は、世界中からやってくる移民の玄関口になっていたブルックリンにルーツを持つと言われており、「権利の抑圧や否定、あるいは宗教的な弾圧から逃れてアメリカへやってきた人々にとって、ブルックリンは常に故郷であり続けてきました」とのこと。その意味で、LGBTQ+の人々への連帯やサポートは、ブルックリンという地区に深く根ざした同社のブランド理念にぴったり合致するもの。「かつて別の場所から勇気を持ってアメリカへやってきた人々と同様、今日のアメリカ社会では、たとえばゲイであることをオープンにして生きることに勇気が必要な場合もあります。だからこそ、自分が何者であるかを公言し、自分の生きたいように生きるすべての人を我々は心から称賛したい」と、オッタウェイ氏は語ります。

2017年にスタートした同社とSIGBIとのパートナーシップはその後も深化を続け、2023年にはブルックリン・ブルワリーの本社およびテイスティングルームが、あらゆる人を歓迎し心理的安全性を提供するというSIGBIの「Certified Safe Space」認証を取得。さらに2024年には、(血縁上の)家族から拒絶されるというLGBTQ+の人々が抱える最大の課題の1つに対応する形で、LGBTQ+コミュニティ等、人生のなかで“選んだ家族”の大切さも祝福するという「Found Family」キャンペーンをスタート。多様な家族の形を肯定し、自分らしく生きるため、カミングアウトというステップを選択した人々をさまざまな形で支援してきたとしています。

 

ブルックリン・ブルワリー President Robin Ottaway 氏

「ニューヨークとの文化的な親近感などもあり、東京は私たちにとって世界初のコンセプト店を構えるのに最適な場所でした。ここに拠点を置くことで市場に深く根を下ろすことができると考えたし、それは実際にうまくいきました」というオッタウェイ氏。「B by the Brooklyn Brewery」開業にあたっては、理想的な場所を求め、東京中を巡ったすえに現在の場所を見つけたそうです。

「あなたが望むのなら、どのような方法であっても、それが他者に危害を加えない限り、自分自身を表現してほしい」と語るオッタウェイ氏。近年では、そうしたLGBTQ+コミュニティを支援する多くのグループに寄付も行っているとのこと。特にアメリカでも保守的な地域では、性的マイノリティについてオープンになることで否定的な反応を受ける可能性もあるため、同社は家族から拒絶された人々に住居を提供するなどして、安全な場所を提供する団体等を支援しているとのことです。

LGBTQ+のサポートについて、BROOKLYN BREWERYは現在、ヨーロッパではカールスバーグと提携しているほか、日本ではキリンホールディングスが積極的な支援を行っており、「こうした大胆な一歩を踏み出すことを厭わない企業と提携できることを誇りに思う」とコメント。「これは大きな主張ではなく、ただ単に自分が自分らしく生き、望む人生を送り、尊重されることを望んでいるだけです」というオッタウェイ氏は、「SIGBIとのパートナーシップがスタートして9年が経った今、これほど多くのことが実現したということに驚いているし、感謝しています。今回発売するビールに込められたメッセージが、皆さまと、皆さまのリーダーの方々に響くことを願っています」と、改めて日本に対する期待を述べました。

 

「The Stonewall Inn IPA」概要

キリンビール/BROOKLYN BREWERY「The Stonewall Inn IPA」
商品名
The Stonewall Inn IPA
発売日/容量・容器/販売地域
①2026年5月26日(火)350ml缶/全国
②2026年5月21日(木)1Lペットボトル(キリン ホームタップ)
③2026年5月25日(月)3Lペットボトル(Tap Marché)/全国
価格
オープン価格
アルコール分
5%
純アルコール量(1本あたり)
①14g
製造工場
①キリンビール 滋賀工場
②キリンビール 横浜工場
③キリンビール 横浜工場
Webサイト
The Stonewall Inn IPA 公式情報(BROOKLYN BREWERY)
キリン ホームタップ
キリンビール Tap Marché | タップ・マルシェ

 

山本兼司
この記事を書いた人
山本兼司
■「Always Love Beer(オールウェイズ・ラブ・ビール)」代表
記者として工業専門誌で2年、編集ライターとしてライフスタイル雑誌で3年勤務したのち、フリーランスへ。2016年6月に当サイトを立ち上げ、企画、編集、取材ライティング、撮影、デザイン、コーディング等を担当。2021年5月に合同会社しおりワークスを立ち上げ、代表に就任。
HP:https://www.shioriworks.com/