クラフトビールとは? 定義は? 地ビールと違う? ビールの種類と表現を考えてみました

2017-10-16

クラフトビールについて、「どういう種類のビール?」「定義は何?」「地ビールとはどう違うの?」等々、最近ネット上でもチラホラ目にするいくつかの疑問について、できるだけシンプルに考えてみました。

本記事は2017年4月23日に公開した内容をベースとして、追記や修正を行ったうえで2017年10月14日に更新したものになります。

 

なかなかスッキリしない、「クラフトビールとは?」の答え

ここ数年続く“クラフトビールムーブメント”なるものが、かつて「地ビールブーム」と言われていた動きと似ていると感じる方は多いと思います。一方、最近はコンビニの棚でも「ペールエール」や「ヴァイツェン」といった、あまり耳にしたことのないビールの種類をよく見かけるようになりました。

そうした言葉も含めて「クラフトビール」という表現について、どこか雲をつかむような感覚を抱く方は多いかもしれません。ただ、当サイトはその辺、「形式上の定義はなく、その意味ではクラフトビールと地ビールの違いもない」と、相当カジュアルに捉えています。

 

醸造士の技術や感性から生まれるビールたち

あえて文章にすると「比較的少規模なビール醸造所(ブルワリー)で、醸造士の技術や感性をもとにつくられる多様で付加価値の高いビール」といった表現が最大公約数といったところでしょうか。

ただ、最近は大手ビールメーカーもクラフトビールという言葉を使います。大企業が「クラフト(手づくり)」と言うことに違和感を持つ方もいると思いますが、「どこからが手づくり?」と考えると、醸造現場に明確な境界があるわけでもないように感じます。

実際、少規模なブルワリーとて今は原料の麦芽をすりこぎ棒で粉砕するわけでもなし、多くのブルワリーはデジタル化された現代の技術を活用していますので。

 

ビールに対する考え方や気持ちを伝える言葉として

むしろ形式ではなく、ビールの醸造や提供を行う人々の考え方や気持ちを表すうえで、クラフトビールという表現が大切になるのだと思います。では、その考え方や気持ちはというと…。

 

多様なビールの種類(ビアスタイル)

多くの日本人が今まで親しんできたのは“キレ”と“のど越し”を特徴とする黄金色のビールでしたが、それは主にピルスナーと呼ばれるビアスタイルの1つ。そのほかにも、ホップの柑橘香が広がるペールエールや、濃厚なクローブ香を放つヴァイツェン等々、世界には100以上のビアスタイルがあります。

今はそうした幅広いビアスタイルや個性が、クラフトビールという力強いキャッチコピーとともに広がってきたのかなと感じています。

 

効率化一辺倒でないものづくり

もう1つは「クラフトカルチャー」と言われるような大きな流れ。クラフトビールの聖地と言われる米ポートランドもよくこの文脈で語られます。サステナビリティ、地産地消、自然環境や農との共存、地域コミュニティへのコミットメントといった概念とともに、効率化の追求に対する揺れ戻しのようなライフスタイルが今は世界各地で広がっています。

効率化一辺倒でないものづくりという流れのなか、画一的に大量生産される商品には出せないクラフトビールの“ものがたり性”が、多くのに受け入れられている面もあると思います。

 

ご当地商品を超えて広がるチャンス

ちなみに、醸造士の方々は地ビールよりクラフトビールという表現を好むケースが多いと感じます。前者は「お土産用ご当地商品」的ニュアンスで、ビール自体への思い入れが伝わりにくい感覚があるほか、かつてのブームで一部粗雑な商品が出回り、地ビールという言葉に低品質な印象がついてしまったこともあるでしょう。

一方、「産地の個性を伝える意味では“地ビール”という表現もアリ」という醸造士の方のお話をうかがったこともあります。最近は地元の農産物を副原料に使ったり()、麦やホップを地元で育てる動きも増えてきました。そうした取り組みに焦点を当てると、地ビールというコピーもそれほど不適切でないように思えます。

※ 2017年現在は、税区分上発泡酒となります。

もっとも、数百年受け継がれるベルギービールやドイツビールの醸造士の方々からすると、「そもそもビールという表現で地域性も手づくり感も伝わる。“クラフト”と装飾する必要もない」というお話かもしれませんが。

 

新しい飲食文化と、かつてあった価値の再発見

こうして文章にしてみると「ビールに対する考え方や気持ちによって表現もさまざま」という当たり前の話に戻りましたが、いずれにせよ、昨今のクラフトビールムーブメントが一過性の流行でないことは間違いないようです。

ブームを超えた新しい飲食文化、あるいは「かつて地域にあった豊かなライフスタイル」の再評価が、クラフトビールという媒介を通して現在も広がっている、というのがムーブメントの実態ではないかなと思いつつ、当サイトもその流れに少しばかり寄与できたらと願っています。

 

 

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