【クラフトビールとは】クラフトビールの定義は? 地ビールと違うの?

2018-11-15

クラフトビールって何? どういう種類のビール?」「定義は何?」「地ビールや普通のビールとはどう違うの?」等々、最近ネットでもよく目にするようになったいくつかの疑問について、シンプルに考えてみます。

 

クラフトビールに定義はある?

ここ数年続く“クラフトビールムーブメント”なるものが、かつて「地ビールブーム」と言われていた動きと似ていると感じる方は多いと思います。一方、最近はコンビニの棚でも「ペールエール」や「ヴァイツェン」等、あまり耳にしたことのないビールの種類をちらほら見かけるようになりました。

そこで「クラフトビール」という表現について、どこか雲をつかむような感覚を抱く方は多いかもしれませんが、当サイトはそのあたり、「形式上の定義はなく、クラフトビールと地ビールの違いもない」と、結構気軽に考えています。

 

醸造士の技術や感性から生まれるビールたち

あえて文章にしてみると「比較的少規模なビール醸造所ブルワリー)で、醸造士の技術や感性をもとにつくられる、多様で付加価値の高いビール」といった表現が最大公約数でしょうか。

最近は大手ビールメーカーもクラフトビールという言葉を使います。大企業が「クラフト(手づくり)」と言うことに違和感を持つ方はいると思いますが、「何が手づくり?」と考えると、製造現場に明確な境界があるわけでもないと感じます。

実際、少規模なブルワリーとて原料の麦芽を「すりこぎ棒」で粉砕しているわけでもなし、今は多くの小規模ブルワリーもデジタル化された現代の技術を活用しています。

 

ビールに対する考え方や気持ちを伝える言葉として

ですからクラフトビールというのは定義や形式でなく、「ビールを醸造・提供する人々の考え方や気持ちを表した言葉」と考えるほうがしっくりような気がします。では、その考え方や気持ちはというと…。

 

多様なビアスタイル

多くの日本人が今まで親しんできたのは“キレ”と“のど越し”を特徴とする黄金色のビールでした。でも、それは主に「ピルスナー」と呼ばれるビアスタイル(ビールの種類)の1つ。そのほかにも、ホップの柑橘香が全面に出たペールエールや、濃厚なクローブ香を放つヴァイツェン等々、世界には100以上のビアスタイルがあります。

今はそうした幅広いビアスタイル、あるいはビアスタイルごとに大きく異なる香味への驚きと認知が、「クラフトビール」という力強いキャッチコピーをエンジンにして広がってきたのだと感じます。

 

効率化一辺倒でないものづくり

もう1つは「クラフトカルチャー」と言われる大きな流れ。クラフトビールの聖地と言われる米ポートランドも、この文脈でよく語られます。サステナビリティ、地産地消、自然環境や農との共存、地域コミュニティへのコミットメントといった概念とともに、効率化の追求に対する揺れ戻しのようなライフスタイルが今は世界各地で広がっているわけですね。

効率化一辺倒でないものづくりという流れのなか、画一的な大量生産品には出せないクラフトビールの“ものがたり性”が、多くの人々に受け入れられている面があると思います。

 

ご当地商品を超えて広がるチャンス

ちなみに、醸造士の方々は地ビールよりクラフトビールという表現を好むケースが多いようです。前者は「お土産用ご当地商品」的ニュアンスで、ビール自体への思い入れが伝わりにくいほか、かつての「地ビールブーム」で一部粗悪な商品が出回り、地ビールという言葉に低品質な印象がついてしまったこともあるでしょう。

ただし、「産地の個性を伝えるという意味では“地ビール”という表現もアリ」という醸造士の方のお話をうかがったこともあります。最近は地元の農産物を副原料に使ったり()、麦やホップを地元で育てる動きも増えてきました。そうした取り組みに焦点を当てるなら、地ビールというキャッチコピーもそれほど不適切でないように思えます。

※ 2017年現在は、税区分上発泡酒となります。

もっとも、数百年の伝統を持つベルギービールやドイツビールを愛する方々からすれば、「そもそもビールという表現で地域性も手づくり感も伝わる。“クラフト”と装飾する必要すらない」というお話かもしれませんが。

 

新しい飲食文化と、かつてあった価値の再発見

改めて文章にしてみると「ビールに対する考え方や気持ちによって表現もさまざま」という当たり前の話に戻りましたが、いずれにせよ、昨今のクラフトビールムーブメントが一過性の流行でないことは間違いないようです。

ブームを超えた新しい飲食文化、または「かつて地域にあった豊かなライフスタイル」の再評価が、クラフトビールという媒介を通じて広がっている、というのがこのムーブメントの実態ではないかなと思いつつ、当サイトもその流れに少しばかり寄与できたらと願っています。

 

 

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