キリンビール、20年後の乾杯を実現する“未来消費”のウイスキー発売!

キリンビール「人生を共に生きるウイスキー」

キリンビールは2026年6月29日(月)、ウイスキーの原酒を20年にわたって熟成しながら、顧客にとって忘れられない乾杯を提供していくという新サービス「人生を共に生きるウイスキー」の抽選販売を、専用サイトにて数量限定で開始します。6月26日(金)には、同サービス公式LINEの「お友だち登録」をした方を対象に、先着順で数量限定の先行販売をスタートしました。

本記事では、6月初旬に都内で開催された、キリンビールの『「人生を共に生きるウイスキー」事業開始に伴う発表会』の内容も交えてレポートします。

 

Makuakeでは史上最速の4分間で1億円を達成

キリンビール「人生を共に生きるウイスキー」

「お客様の人生を共にすることで、一生忘れない乾杯を提供する」というビジョンを掲げた本サービスは、2019年から2026年までの間で各年に蒸留されたウイスキー原酒のなかから希望の商品を購入したのち、キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所のウイスキー樽内でその原酒を熟成させるというもの。熟成期間は20年間。その過程で、一定期間ごとに熟成途中となるウイスキーのサンプルを届けるなどして、移りゆく時間とともにウイスキーの熟成度合いが体感でき、その時にしか味わえない特別な一杯を楽しめるとしています。

「酒類領域で新たな事業及び価値創造を実現出来る人財の開発」を目的に、2021年度に実施した社内新規事業提案制度から誕生したという本事業は、2025年6月にクラウドファンディングサービス「Makuake」にて募集を実施。すると、ファンディングの目標金額である1億円を、「Makuake」での歴代最速記録(※1)となる開始わずか4分で達成したそう。その後、応援購入額は2億7千万円を突破し、「Makuake」における単日での応援購入額の最高額、かつプロジェクト開始初日の応援購入額の最高額も達成したとしています(※2)。さらに、同プラットフォームで実施されたプロジェクト約5,000件の中から選ばれる「Makuake Of The Year」のGOLD賞にも選出(※3)。目標達成に加えて、子や孫の誕生、結婚、就職、定年など、さまざまな記念日や節目を彩る思い出になるという共感や応援の声とともに、再販売への要望を数多く集めたことから(※4)、今回の本格事業展開になったとしています。

※1・2 2026年5月29日(金)時点
※3 参考リリース https://www.makuake.co.jp/5071/
※4 株式会社マクアケ クラウドファンディングページより引用

 

価値提供への“餓え”が事業をドライブ

キリンビール マーケティング部 事業創造室の小島亨介(こじま・りょうすけ)氏

キリンビール マーケティング部 事業創造室の小島亨介(こじま・りょうすけ)氏

「今回のサービスは、お酒をただ飲むものから人生に寄り添うものへと広げる挑戦だった」と語るのは、本事業の責任者である、キリンビール マーケティング部 事業創造室の小島亨介(こじま・りょうすけ)氏です。

2016年にキリンに入社し、研究者としてキャリアをスタートさせた小島氏は、ビール酵母の研究で社内表彰や特許取得、さらには海外での学会発表を行うなどして、「さまざまな成果を出すことができたつもりでいた」という一方で、「世の中に商品として出るものは何ひとつなかった。技術が技術だけで終わってしまっていて、“自分は何のために仕事をしているんだろう”と、自問自答する日々があった」と語ります。そうした経験を経て、価値を世の中へ提供することに対する強い“飢え”のようなものが芽生えていったという小島氏は、自費でMBAを取得するなど「いろいろと、もがきながら行動し続けていった」なかで、次第に顧客と真に向き合うことが最も大切であると考えるようになったとしています。

そうして、多くの顧客と実際に会って声を聞いていったという小島氏。たとえば、ある顧客は、子どもが中学生になるぐらいまで、子どもの誕生日には家の柱に身長の線を刻んでいたそうですが、子どもがひとり立ちした後に家を建て直す際、身長を刻んでいた柱を捨てることができず、新しい家の一部に使用したそうです。「そのお話を伺ったとき、なぜ親御様はこうした行動に出るのかと考た。言い方は悪いが、他者の私からすると、それはただの傷がついた柱。でも、親御様のなかでは人生の節目で子供の成長を楽しみたいという思いの積み重なりによって、家族の歴史を体現したものに変わっていた。そうした蓄積が特別な価値に、思い出が時間とともに価値へと変わっていくことに気づいた」と、小島氏は語ります。

 

「意味消費」であり「未来消費」という新市場の発見

キリンビール「人生を共に生きるウイスキー」

ブックレット型の箱で届けることを想定しているという本サービス。「手紙も同梱し、その時々の気持ちを記載してタイムタイムカプセルのように使っていただいたりと、20年後の乾杯を忘れられないものにしていくような仕組みを構築している」(小島氏)

そうした思いの蓄積を「お酒でできたら、忘れられないような乾杯を提供できるのではないか」と考えたことが、今回のサービス誕生につながったとしています。

子どもが生まれた親だけでなく、人生の節目を迎えたすべての方々に提供できるという本サービス。昨年「Makuake」でプロジェクトを開始したときも、結婚、出会い、移住、引っ越し、定年・退職、会社設立等、さまざまな節目を迎えた方からの購入があったそう。小島氏は、「モノを買ってただ消費するのではなく、これからの20年間を共に歩むという、将来に向けた消費を今から約束するという新しい文化の形成というところを、一番評価していただいたのではないかと考えている」と語ります。

高価なウイスキーは、通常であればコアなウイスキーファンの方々が購入するケースが多いとされていますが、「Makuake」での購入者のなかでは、一番好きなお酒はウイスキーではないという方が約60%もいたそう。「そうした方々が、20年後の特別な乾杯という価値に共感して10万円(税抜)という高価なサービスを購入してくださった点が極めて新しい部分と考えている」という小島氏。内閣府の「国民生活に関する世論調査」(令和7年8月調査)によると、今後の生活について見通しが悪くなっていくという回答が昨今はおよそ3割にも達しており、「そうした先行きが見えない時代だからこそ、本サービスについて、未来への希望を買うという、極めてポジティブな消費行動が見られているのではないかと推察している」としています。

今回のサービスは、モノ消費でなく、コト消費だけでもなく、その先にある「意味消費」であると考えているという小島氏。「しかも、その意味は未来に向けた希望を込めて買うというもので、いわば“未来消費”。我々キリンビールにとって、これは新しい発見だったと思っている。一人ひとりのお客様の人生において、なぜこれを買うのかという意味付けがなされており、かつ、それが未来の希望になっている。そういう新しい市場を発見したと考えている」と語ります。

 

初年度1.5万人、3年間で5万人の契約獲得目指す

キリンビール マーケティング部 事業創造室の小島亨介(こじま・りょうすけ)氏、新規事業家 守屋実(もりや・みのる)氏

本サービスに関するトークセッションに登壇し、「顧客のひとりとして心を掴まれた。価値提供への飢えから、顧客に向かって魂を込めて作り込んでいったことがサービスの端々にまで宿っていると感じた」と語る、新規事業家の守屋実(もりや・みのる)氏[写真右]

「Makuake」のプロジェクトを通じて、そうした「未来消費」の市場を発見したことで、今回の本格的な事業化に至ったというキリンビール。まず6月26日(金)、同サービス公式LINEの「お友だち登録」をした方を対象に先行販売を開始しており、29日(月)からは一般向けの販売がスタートします。昨年同様、原酒に限りがあることから数量限定のサービスとなるため、抽選販売の形で販売を拡大していくとのこと。そのうえで、初年度は、昨年の6倍となる1万5,000人規模の新規契約獲得を目指し、その後は2028年までの3年間で約5万人規模まで拡大させていきたいとしています。また、そうした基盤拡大のなかで、顧客と20年間つながり続けることができるのも大きな機会であり、今後は「適切なタイミングやポイントで、お客様にとってプラスになるようなサービスを提供し、キリンのロイヤリティ向上、ひいては他のブランドへのシナジーも狙っていきたい」(小島氏)としています。

また、今回のサービスは20年の長期間におよぶため、「キリンだから安心して買いましたというお客様も数多くいらっしゃる」(小島氏)とのこと。その20年間の約束を確実に守ることができるよう、ウイスキーは仕込みから製造まですべてキリンディスティラリー社で一貫して実施する予定。また、本サービス専用の基幹システムおよびECサイトのマイページも構築したほか、物流網もキリングループロジスティクス社による管理として、グループ内でナレッジを蓄えていくことにより20年間のサービス継続を約束したいとしています。

 

不確実性を突き抜け、新しい価値の提供へ

キリンビール マーケティング部 事業創造室の小島亨介(こじま・りょうすけ)氏

「提供しているのはウイスキーそのものでなく、20年後の乾杯という人生の時間への希望。『人と人とのつながりを創り、社会に前向きな力を創り出す』というキリンのCSVパーパスにも通じると考えている」(小島氏)

起案から今回の事業化まで丸5年かかったという本サービス。「不確実性が高いものへのチャレンジは多くのリスクが付きまとう。そうしたリスクをヘッジしてでも、不確実性を突き抜け、今回のような形で新しい価値を世の中にどんどん出していきたい」と語る小島氏。「本サービスの主役は、あくまでウイスキーでなくお客様の人生。お客様の人生をより良いものしていくきっかけづくりに本サービスがなれば、この上なく嬉しい。その先で、お客様一人ひとりが懸命に生きた20年後、とても良い乾杯ができると思っている」と語りました。

「お酒は夢があるものだと心から思っているし、私自身にも忘れられない乾杯が人生のなかで数多くあった。そうした乾杯の数だけお酒が人生を豊かにしてくれていると、本気で信じている。だからこそ、このサービスを通じて、お客様の人生で一生忘れられないような、究極的に言うと、亡くなるときに“あの乾杯は最高だったな”という風に思えるような乾杯をご提供できるように、これから20年間やっていきたい」と、本サービスの提供に向けた決意を語ってくれました。

 

「人生を共に生きるウイスキー」概要

サービス名
人生を共に生きるウイスキー
発売日/販売地域
①2026年6月26日(金)公式LINEお友達登録者向け・専用サイト
②2026年6月29日(月)一般向け・専用サイト
容器・容量
熟成期間0~18年品:50mlびん 20年品:700mlびん
価格(税抜)
100,000円
アルコール分
62%(熟成前の蒸留液)
原材料
モルト
製造工場
キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所
Webサイト
「人生を共に生きるウイスキー」サービスサイト

 

山本兼司
この記事を書いた人
山本兼司
■「Always Love Beer(オールウェイズ・ラブ・ビール)」代表
記者として工業専門誌で2年、編集ライターとしてライフスタイル雑誌で3年勤務したのち、フリーランスへ。2016年6月に当サイトを立ち上げ、企画、編集、取材ライティング、撮影、デザイン、コーディング等を担当。2021年5月に合同会社しおりワークスを立ち上げ、代表に就任。
HP:https://www.shioriworks.com/